霧の大陸
霧の大陸
霧の大陸は、ガイアにある4つの大陸のうちで、もっとも文明が進んでいる。
温暖な気候に恵まれ、表情豊かな地形が風土を多様化させている。
かつては緑の大陸と呼ばれていたが、ガイア歴800年に霧に覆われてからは、霧の大陸と呼ばれている。霧が晴れた現在も、古称である緑の大陸を復活させようとする動きもあるが、霧の大陸と呼びならわされている。
大陸はリンドブルム、アレクサンドリア、ブルメシアの三大国が分割、統治しているが、これらの国の源流は、かつて大陸全土を支配したユーノラス統一王国に求められる。
アーブス山脈
霧の大陸を東西に貫く大山脈。
地質的にはほぼ全てが岩石質であるが、石灰質の地層も一部に見られ、ギザマルークの洞窟に代表される鍾乳洞が散見される。山脈東部にあるボーデン峡谷はこの石灰質の地層にあたり、シーベル川の水による侵食を受けて山脈が南北に貫通した。
アレクサンドリア高原
北を小高い山々によって縁取られた緑の高原。中央部には湖があり、湖水は南の崖から滝となって流れ落ちる。王都アレクサンドリアは湖岸にある。
統一王朝時代より以前から、大河シーベルの水源が集中していたため、治水の要として重視されてきた。
イージスタンコースト
霧の大陸北西部、ヴブ砂漠の北西にあるやすらぎの浜。
ヴブ砂漠
南北を山脈に挟まれた盆地に広がる砂漠。砂漠の中央には聖都クレイラがある。
イージスタンコーストから谷を通って吹き込む北風が湿気を奪うためヴブには雨が降らず、結果、砂漠化した。逆に湿気を含んだ風はそのまま東進し、ノールッチ高原にぶつかるとデインズホース盆地に雨を降らせる。
エッジクライコースト
霧の大陸北東部、アレクサンドリア高原の北東にある海岸。
エレノウコースト
霧の大陸北部、北ノールッチ高原の北にある海岸。
キングエディ平原
ユーノラス大平原の北東部、シーベル川以東の地域を、とくにこう呼ぶ。
統一王朝時代、ここにはキングエドワードの都があった。霧が発生したことで都市は滅び、その跡地には森ができた。
クイーンリディア山
ユーノラス大平原の北部にある高山。
地殻変動によってアーブス山脈から切り離されたもので、山頂は卓状になっている。統一王朝時代、ここにクイーンリディアの都が置かれていた。今も遺跡が残っている。
グニータス盆地
アーブス山脈、アレクサンドリア高原、ベンティーニ高原、ノールッチ高原に四方を囲まれた盆地。シーベル側の上流域に当たり、大河は盆地を南下してボーデン渓谷を抜ける。
かつてこの地にはグニータス王国が栄え、後にユーノラス統一王国の属領となった。霧が発生してからは、人がこの地に近づくことはなかった。
ザモ湿原
シーベル川上流にある湿原。地勢的にはグニータス盆地の一部と考えられているが、ながらくシーベル川の右岸をグニータス盆地、左岸をザモ盆地と呼び分けてきた歴史がある。そのため湿原と周辺地域を指して、ザモ盆地と別称することもある。
800年に霧が発生してからは人が足を踏み入れることがなく、まるで未開の地だったが、霧が晴れてからは開拓が進み、現在は豊富な水資源を利用した農業が栄えている。
シーベル川
霧の大陸において、最大の流量と最長の流域を誇る大河。
アレクサンドリア高原に源を発し、グニータス盆地を南下してアーブス山脈を貫通した後、ユーノラス大平原の東の海に流れ出る。
かつて大陸全土を支配した統一王国にとってシーベル川は繁栄の礎であり、アレクサンドリア、リンドブルムにとっても重要な大河だった。シーベル川は一時期、両国の国境の役割を果たしていた。
スマ諸島
霧の大陸南東部の近海にある島々。
リンドブル大公の祖先アリシアは海賊だったが、スマ諸島は彼女が率いるファブール海賊団の本拠地だった。
デインズホース盆地
霧の大陸北西部にある盆地で、古デインズホース王国の所領だった。現在はブルメシア領。盆地の北に、王都ブルメシアがある。
非常に特殊な気候を有する。
冬は、北西から吹いてきた湿気を含む季節風がノールッチ高原にぶつかり、雨を降らせる。夏の季節風は南東から吹いてくるが、アーブス山脈の南側に雨を降らせてから山脈を越えてくるので水分を含んでおらず、盆地を乾燥させる。
このため、盆地には草地と砂礫地帯が混在する。
テュハンダ海岸
ユーノラス大平原の西海岸。近海は浅瀬が続き、島も多い。
その昔ここは陸地だったが、この地を治めていた王国が、神々の怒りに触れて海に没したという伝説がある。
デドリー岬
霧の大陸南東部、ベンティーニ高原の南東に位置する岬。
デレクビーチ
霧の大陸南東部、ベンティーニ高原の南に位置する海岸。
トグルビーチ
霧の大陸北部、アレクサンドリア高原の北西に位置する海岸。
ノマラニアビーチ
シーベル川の河口南側にある海岸。
ノールッチ高原
メリダの泉を境にして南北に分かれ、北ノールッチは山がちで荒々しい地形が目立ち、南ノールッチは緩やかな卓状地が広がる。コーヒーの産地。
かつて南北ノールッチ王国の領土とされ、古くから亜布戦争の主戦場となった。
現在は北ゲートが築かれており、これはアレクサンドリアとブルメシアの友好の徴とされている。
ブヤーン高原
アーブス山脈に付随する高原。かつてブヤーン大侯国が支配していたが、リンドブル公国に併呑された。
1700年以降、ブヤーン大侯はリンドブル大公が兼務している。
ベンティーニ高原
かつてベンティーニ王国が領した地域。現在はアレクサンドリア領。
高原の南には多くの貴族が住む自治都市トレノがあり、アレクサンドリア王国の中にあって独立した権限を与えられている。
ボーデン高原
アーブス山脈に付随する高原。山脈を縦断する峡谷を含む。
歴代ボーデン公が支配してきた土地。南ゲートとボーデンゲートは、ボーデン公が所領を守るために建造した要塞を増改築したものである。
1700年以降はリンドブルム領。リンドブルム大公に後継指名された公子は、ボーデン公に封じられるのが慣わしである。
ポーポス高原
ブルメシア王国南東部、ギザマルークの洞窟に程近い位置にある高原。ブルメシア領でありながら、ほとんど人の手が入っていない。
高原の森には怪鳥ガルーダが、草地にはグランドドラゴンが生息する。
このガルーダは、かつてブルメシア王国を襲った魔物であり、グランドドラゴンは、この怪鳥の侵攻を押さえるために竜騎士が放った飛竜の子孫である。しかし野生化した飛竜はしだいに巨大化・凶暴化し、ガルーダを押さえてはいるものの、人も寄せつけなくなってしまった。
マキキビーチ
キングエディ平原東部の海岸。
メタローク海岸
シーベル川の河口東側にある海岸。
メリダ平原
南北ノールッチの中間点に位置する、平原とは名ばかりの、谷間にある平地。
泉があり、これが南北ノールッチ王国の国境線の役割を果たしていた。
ユーノラス大平原
霧の大陸の南半を占める大平原。
リンドブルム、アレクサンドリア、ブルメシアの三大国を結ぶ街道があり、政治的にも経済的にも歴史的にも文化的にも、非常に重要な地域である。
名称の由来は大河シーベルの河口に築かれた共和制都市ユーノラスであり、同名のユーノラス共和国は大平原を領する大国だった。国名がそのまま地名として残っている。のちに共和国は霧の大陸全土を支配するに至り、ユーノラスの都はユーノラス統一王国の首都として栄えたが、霧の発生と同時に滅び去った。
ラチェンタ湿原
ユーノラス大平原の北西部に位置する沼地。
ランシェーク島
リンドブルムの東にある小島。
美しい浜辺があり、リゾート地として知られている。
リンドブルム高原
霧の大陸南部にある、台地と山脈が複合した地域。西側は台地上で切り立った崖があり、眼下から潮風が強く吹き上がる。東側には山脈があり、山麓のピナックルロックスはリンドブルムの水源地である。農業と酪農が盛ん。
大地の中央部には岩山ホブスがあり、ここに公都リンドブルムが立地している。
目次 外側の大陸
編集後記
みつ吉さんの「NOSTARGIA」に触発されて、書き溜めていたメモをあらためて打ち直しました。
久しぶりにアルティマニアを熟読しましたね。とくにチョコグラフから得られる情報は貴重でした。全世界を網羅していますしね。
ここからは、上に書かなかった細かい裏設定をだらだらと書いていきます。
アーブス山脈の範囲については、サイトによって見解が異なります。僕は、リンドブルムの北国境を構成し南ゲートが築かれている、東西に走る山脈をアーブスと考えています。
北ゲートがありアレクサンドリアとブルメシアの国境となっているあの山地は、僕はノールッチ高原であると解釈しています。
ヴブ砂漠とデインズホース盆地の設定は頭をひねりました。
峡谷で区分けされた2つの盆地。その一方は荒涼とした砂漠、もう一方は雨がしきりに降っているくせに草木もまばらな草原。一見すると、とてもいびつな気候ですから。
ちなみに、ヴブ砂漠こそネズミ人の故郷であり、ブルメシアはネズミ人が新たに築いた国という設定です。ブルメシアンという種族名は、ブルメシア建国以降に使われるようになったもので、クレイラの民に対しても使われます。
キングエディとクイーンリディアの設定は、ユーノラス大平原の「あの山」に登ったとき、そこに地名がつけられていないことが分かってから一気に組み立てました。
統一王朝時代――霧もまだ無かったこの時代、有力な都市がいくつもあったと考えられます。キングエドワードとクイーンリディアは立地として適当だったので、この地に、首都ユーノラスに次ぐ都市を置きました。
ちなみに2都市の名称は、FF4に登場するエッジ(本名エドワード・ジェラルダイン)とリディアからとりました。
エドワードは大陸を統一し王朝を開いた初代ユーノラス皇王、リディアはその妻、という設定です。
テュハンダの“沈んだ王国”というのは、即興で付け加えた設定で、あまり意味はありません(笑)
ただ、ユーノラス大平原にまだ共和国や王国があった頃は、こういう伝説もあったかもしれない。そう思うんです。
ポーポス高原の設定は、FF3を参考にしながら考えたものです。
3では、人々を襲うガルーダを飛竜に乗った騎士が倒し、これが竜騎士の起源になったとされています。
ブルメシアには竜騎士がいます。
そして王国の辺境にはガルーダがいます。
この2つの要素を、関連づけずにはいられませんでした(笑)
さらにグランドドラゴンを、野生化し、巨大で凶暴になった飛竜の子孫という設定を加えて、今の形にしました。竜技のひとつ「竜の紋章」は、かつて友のように接していた飛竜が人を襲うようになってから、竜騎士が対竜戦闘を前提に編み出した悲しい技です。
フライヤやフラットレイの時代には、もう人が乗れるような飛竜はいませんが、「竜騎士」という呼称は残っています。
ユーノラス大平原と、その地に興った共和国と統一王国の歴史は、また改めて書きたいですね。