Magecraft考: 「魔術」または「魔法使いの駆使する技」



序章 はじめに
第1章 Fate/stay nightの「魔術」
第2章 ゲド戦記の「魔法使いの駆使する技」
第3章 海外小説の「魔法使いとしての腕」または「魔法の知識」
第4章 国内小説の「魔術関係の実技」または「魔術に関する座学」
第5章 国内外ゲームの「魔術」「魔技」または「魔法」
終章 「魔法使いとしての技量」または「魔法に関する知識」

【序】はじめに

 「魔法と魔術は違う」

 ファンタジー小説や漫画やゲームを創作する人々と、読者や視聴者やプレイヤーとのあいだで、そんな言葉がやりとりされるのを、たびたび目にする。辞書的にはほとんど同じ意味を持ち、たいして区別されることのないはずの「魔法」と「魔術」が、まったく違う現象もしくは技術をさしているというのである。
 こうした考え方は、ゲーム「Fate/stay night」(TYPE-MOON, 2004)をはじめとするTYPE-MOON(型月)の作品に共通する設定から、影響を受けて広がったように思われる。型月作品では、魔術は「人為的に神秘の奇跡を再現しようとする行為の総称∗1」、魔法は「魔術や科学技術では実現不可能な事象∗2」と説明され、魔術と魔法が明確に区別されている。どんなに摩訶不思議な現象であろうとも、長い時間をかけたり莫大な資金を費やしたりすることで実現可能であるなら、その現象は「魔法」とはみなされない。そして、そうした現象を再現しようとする行為は、すべて「魔術」と呼ばれるのである。∗3
 英語版Fate(TYPE-MOON, 2024)では、魔法はmagicまたはtrue magicと訳され、魔法を用いる人はmagician(魔法使い)と呼ばれる。また、魔術を行なう者はmage(魔術師)と呼ばれ、魔術はmagecraftと訳される。∗4
 先述したとおり、型月作品は、魔法と魔術を明確に区別しようとしている。しかし一方で、日本語版でも英語版でも、じつは魔法と魔術の区別を徹底できていない。それほどに、魔法と魔術の違いは非常にあいまいなのだといえるだろう。

 本稿では、型月作品で「魔術」の訳語として採用されている「magecraft」について、語意と語源を分析する。あわせて、他作品で用いられているmagecraftがどのように日本語訳されているか、どのような日本語がmagecraftと英訳されているかを比較して、最終的にmagecraftが「魔法」と「魔術」どちらの意味にも使われていることを確認する。

1. テックジャイアン編集部, 2018, p.538
2. 前掲書, p.546
3. Fate/stay nightより前に魔法と魔術を明確に区別した作品として、小説「魔術士オーフェン」(秋田, 1994-)が挙げられるが、英語版オーフェン(Hodgson, 2018)では「魔術」はmagecraftではなくsorceryと英訳されている。本稿の主旨は「magecraft」という英単語についての考察であるため、本稿ではオーフェンを取り上げなかった。
 また、近年では漫画『魔法使いの嫁』(ヤマザキ, 2014-)も「魔法」と「魔術」を区別しているが、英語版まほよめ(Beck, 2015)では「魔術」はalchemy(錬金術)、アニメ(長沼, 高羽, 2017)の英語字幕ではsorceryと、ふたとおりに訳されている。まほよめも、本稿では取り上げなかった。
4. TYPE-MOON, 2024, Fate route Prologue

【1】Fate/stay nightの「魔術」

 序章で述べたとおり、「Fate/stay night」をはじめとする型月作品は、「魔法」と「魔術」を峻別している。魔法(magic)は「魔術や科学技術では実現できない現象」をさし、魔術(magecraft)は「人が神秘の奇跡を再現しようとして行なう術」をいう。魔法を用いる者は「魔法使い(magician)」といい、魔術の使い手は「魔術師(mage)」と呼ばれる。

 しかし、型月作品におけるこのような魔法と魔術の区別は、かならずしも徹底できていない。たとえば、魔術師が魔術を行使するために描く円形の模様のことは、魔術円などではなく、魔法陣(magic circle)と呼ばれる∗1。魔術師の体表に刻まれた、魔術を凝縮した入れ墨のようなものを魔術刻印というが、これはmagic crest(魔法の紋章)と英訳される∗1。魔術師の体内にあり、魔力を生み出す疑似神経のことを魔術回路というが、これはmagic circuit(魔法の回路)と訳される∗2
 また「Fate/stay night」の冒頭では、ヒロインのひとりである遠坂凛の独白が続くが、ここでも魔法と魔術の混用が見られる。

(1) 〔Fateルート プロローグ〕
くわえて、遠坂の家は"魔術"を伝える魔法使いの血筋なのだ。
 古いと言えば、もう文句なく古い歴史を持っている。
「…まあその、自慢できる事でもないんだけど」
 というか、臆面もなく吹聴できる話でもないんだけど。
 ――実は遠坂凛わたし、魔法使いなんです――
 なんて、いったい誰に自慢できるっていうんだろう。
(中略)
 ついでに言えば、魔法使いというのも大語弊。
 正確に言えば、この世界に魔法使いは五人しかいない。〔TYPE-MOON, 2024, Fateルート プロローグ〕

 遠坂家は魔術を伝える血筋であり、凛自身も魔術師である。しかしこの独白部分で、凛は、遠坂家を「魔法使いの血筋」と言い換え、自身も「魔法使い」であると述べている。もちろんこれは、ゲームの世界観を理解しやすくし、プレイヤーが物語へスムーズに没入できるようにするための台詞まわしなのだが、当該部分を英語版と比較するとおもしろい。

(2) 〔Fate route Prologue〕
くわえて、遠坂家は魔術(magecraft)として知られるものを実践する、呪文を編む者(spell-weaver)の血筋なのだ。
 ただ古いだけの家系ではない――讃えられるべき歴史を持っている。
「……べつに自慢できることでもないんだけど」
 事実、わたしはこのことを口外できない。
 じつは、わたしは魔術師(mage)なんです!
 そんなことを、いったい誰に自慢できるっていうんだろう。
(中略)
 ふつうの人はわたしたちのことを魔法使い(magician)と呼ぶだろうけど、それは間違い。実際には、世界中で魔法使いは5人しかいない。〔TYPE-MOON, 2024, Fate route Prologue, 筆写訳〕

 日本語原文では「魔法使い」でひとまとめにされていた言葉が、英文では「呪文を編む者(spell-weaver)」、「魔術師(mage)」、「魔法使い(magician)」と使い分けられており、訳者の工夫が見てとれる。また「magecraftをおこなうspell-weaverやmageのことを、ふつうの人はmagicianと呼ぶ」という凛の指摘は、プレイヤーを含む一般の英語話者にとって、これらの言葉にたいした差異がないことを示唆している。
 実際、おもだった英語辞典を参照すると、mageについてCollinsは「magicianを意味する古語」、OEDは「magician。転じて、並外れた知恵と学識を持つ人」、Penguinは「賢い人、賢者、magician」、Random Houseは「magician(1350~1400; 中英語)」、WebsterNWは「(古語)Magician、ウィザード」という具合に説明している。「mage」が、多くの英語辞典で「magicianの同義語または古形」と見なされていると分かる。ちなみに、いずれの辞典にもmagecraftの記載は無い。
 型月作品においては、magecraftは魔術師が用いる技とされ、魔術師と魔法使いは明確に差別化されている。しかし英語では、魔術師(mage)と魔法使い(magician)の区別はあいまいである。

1. TYPE-MOON, 2024, Fate route Prologue
2. TYPE-MOON, 2024, Fate route Day 1

【2】ゲド戦記の「魔法使いの駆使する技」

 Magecraftという言葉は、英語辞典には見当たらなかった。
 では、この言葉の初出はいつであり、語源は何なのだろうか。
 結論からいえば、「magecraft」を最初に使用したのは、ファンタジー作家ル=グウィンであると考えられる。mageは「魔法使い」を意味する古英語であり、craftは「技術」などを意味する一般的な英単語である。ル=グウィンは「ゲド戦記」を執筆するにあたり、多くの古語をとりいれて造語をつくったが、古語と一般語を組み合わせた「magecraft」も、そうした造語のひとつなのである。∗1∗2

 「magecraft」が初登場したのは、ゲド戦記・第1作において、正体不明の「影」を追跡するために、主人公ゲドが操船と魔法の技術を駆使した場面である∗3。なお、引用した日本語訳文について、英語原文の「magecraft」にあたる部分には下線を付した。

(1)『影との戦い』(Le Guin, 1968)

  〔第8章 狩り〕
 影は北の、風上に向かった。ゲドの舟もすぐあとを追った。魔法使いの駆使する技に、影がその足でどれだけ対抗できるか。これはその両者の戦いだった。〔清水, 1976a, p.201〕

 「魔法使いの駆使する技」は、英語原文ではmagecraft∗4である。
 型月作品では「魔術」の訳語としてmagecraftが採用されていたが、ゲド戦記のmagecraftは「魔法使いの駆使する技」と日本語訳されている。型月作品の魔術は、魔術師が用いるものだったが、ゲド戦記の魔術は、魔法使いが駆使するものなのである。
 そもそもゲド戦記では、「魔法」と「魔術」の違いはあいまいである。

 考察を深めるため、第3作からも象徴的な文章をふたつ引用する。

(2)『さいはての島へ』(Le Guin, 1972)

1) 〔第1章 ナナカマド〕
壁の向こうには、いくつもの部屋や中庭や通路や回廊や塔があって、最後にいちばん外回りの壁がこのロークの館をどっしりと厚く囲っていた。館は戦争があろうが、地震があろうが、海そのものが押し寄せてこようが、平気だった。石造りであるうえに、並ぶものとてない強力な魔法で固められていたからである。〔清水, 1977, p.9〕

2) 〔第2章 ロークの長たち〕
 ロークの学院には、アースシーの津々浦々から、魔法に才を見せる若者が、最高の魔術を習いに送り込まれてくる。(中略)そして、長い修練を終えた後、もし手と頭と心とが歩調をそろえていれば、彼らは正式な魔法使いの資格を与えられ、威力ある杖を授けられる。真の魔法使いは、ロークでしか生まれない。
さて、まじない師やうらない女はどこの島にもいて、彼らの魔術は人々にとってパンにも似て不可欠で、音楽にも似てその心を喜ばすものだから、当然のことながら、魔法の学院は重くみられている。〔清水, 1977, p.28〕

 いずれの文章も、ゲドの母校である「ロークの学院」について説明したものである。「強力な魔法」は英語原文ではincontestable magic∗5である。また「魔法に才を見せる」はshow promise in sorcery、「最高の魔術」はhighest arts of magic、「正式な魔法使い」はnamed wizard、「真の魔法使い」はtrue wizardsである∗6。「彼らの魔術」はuses of magic、「魔法の学院」はSchool of Wizardryである∗7。つまり、「魔法」の才能を持つ若者が「魔法」の学院で「魔術」を学ぶことで「魔法使い」になって「魔術」を使うようになるわけで、「魔法」と「魔術」の区別はあいまいである。
 また別の場面では、ゲドについて「魔法使いはトリックを楽しむ。魔法使いはペテン師だ」(清水, 1977, p.217)と言及されている。英語原文は「The mind of the magician takes delight in tricks; a mage is a trickster.」(Le Guin, 1972, p.150)であり、magicianとmageがともに「魔法使い」と訳されている∗8。なおル=グウィン自身の解説によれば、「mage(大魔法使い)」はwizard(正式の魔法使い)の中でも大きな力を持った者を意味する∗9

 以上を踏まえると、ゲド戦記におけるmagecraftは「魔法使いの駆使する技」に、「魔法」はmagic、sorcery、wizardryに、「魔術」はarts of magicに、「魔法使い」はwizard、magician、mageにそれぞれ対応している。さらにいえば、「arts of magic」は直訳すると「魔法の術」であり、ゲド戦記における「魔法」と「魔術」の区別のあいまいさを示唆している。

1. Anderson, Brinnin, Leggett & Leeming, 1989, p.600
2. なおForster(1858)は、イングランド王ヘンリー7世について「とはいえ、このような状況は王座に就いた魔術師にとって好都合だったが、彼のいかなる手腕をもってしても、彼はみずからを取り巻く目立たない影響を見抜くことができなかった。また彼は、ひとりよがりで利己的な立法によって、結果的により高い理想やより大きな構想を推し進めているのではないかと疑うこともなかった」(Forster, 1858, p.216, 筆者訳)と述べている。英語原文では「魔術師」はmage、「手腕」はcraftである。ここでのmageはもちろん比喩であり、せいぜい「策略家」や「智謀家」といった意味であろう。しかしながらこの一文は、mageとcraftを強く結びつけた、非常に古い例と考えられる。
3. なお「ゲド戦記」全6部作において、「magecraft」が登場するのは、『影との戦い』の1か所のみである。しかし「ゲドのサーガは、英雄的な行動の裏側で、均衡の問題――自然を破壊するのではなく補完するとされる技術(magicまたはmagecraft)を背景にしながら、情熱と合理主義の融合と調和について論じている」(Senick, 1992, p.156, 筆者訳)と評されるように、「magecraft」はシリーズを象徴する言葉とも考えられる。
4. 原文での正確な綴りは「magecraft」であり、ハイフンが挟まる。Le Guin, 1968, p.154
5. Le Guin, 1972, p.3
6. 前掲書, p.16
7. 前掲書, p.17
8. 第2作『こわれた腕環』(Le Guin, 1971)にも、mageであるゲドが「magician(魔法使い)」と表現される場面がある。Le Guin, 1971, p.98, 清水, 1976b, p.133
9. Le Guin, 2003, p.278, 清水, 2004, p.451

【3】海外小説の「魔法使いとしての腕」または「魔法の知識」

 型月作品では、魔術(magecraft)は魔術師(mage)が行使するものであり、魔法(magic)は魔法使い(magician)が用いるものとされていた。しかしゲド戦記では、magecraftはmage(大魔法使い)が駆使する技であり、mageはmagician(魔法使い)と同義とされていた。
 それでは、その他の海外小説で用いられているmagecraftは、どのように日本語訳されているのだろうか。本章では、1994年以前に訳された書籍に限定して分析する∗1。なお、引用した訳文について、英語原文の「magecraft」にあたる部分には下線を付した。

(1)タニス・リー
 「平らな地球」シリーズ全5部作の11か所で、「magecraft」が使用されている。

1-1) 『闇の公子』(Lee, 1978)〔巻の1 地底の光: 第2部 6 カジールとフェラジン〕
 さらにカジールを案内して宮殿の中を歩き、(中略)公子自身の力と魔法と知識のありうべからざる深遠さを告げた。これに多くの時間が費されたが、語り終えるとアズュラーンは優しく言った。〔浅羽, 1982, p.91〕

1-2) 〔巻の3 世界の罠: 第2部 4 魔法使いの怒り〕
 それから、双つの強烈な意志と双つの想像力豊かな頭脳の恐るべき闘いが始まった。カスチャックの強味は魔法使いとしての腕にあったが、ケバの強味は詰まるところ、容赦も理屈もない鋼のごとき憎悪にあった。〔前掲書, p.263〕

 magecraft∗3∗4は、それぞれ「魔法」と「魔法使いとしての腕」と日本語訳されている。いずれもmagecraftを「魔法」と関連づけている。とくに後者については「技」そのものではなく、技を使いこなす「腕前」や「技量」のニュアンスを含んでいることが特徴的である。

2-1) 『死の王』(Lee, 1979)〔巻の2: 第1部 黄金のむすめたちの園 7〕
軽蔑したような目を庭にくれる。ありとあらゆる魔法の手管に通じた現在いまでは、花々の芳香や水のかおりにもまして、そこには魔術と欺瞞のにおいが鼻につかずにはいなかったからである。(室住, 1986, p.341)

 magecraft∗5∗6は「魔法」と日本語訳されている。また、同じ引用文中にある「魔術∗7」は、英語原文ではmagic∗5である。ほか1か所もmagecraft∗8は「魔法∗9」と訳されている。

2-2) 〔第3部 闇の魔術師ジレク 4〕
「さあ、もう放して。セーベルの秘法を学べる、おそろしい場所へご案内するわ」(室住, 1986, p.502)

 magecraft∗6∗10は「秘法」と訳されている。

3) 『惑乱の公子』(Lee, 1981)〔第3部 歓喜の苦杯 2 母と
ドゥニゼルはその神の水瓶(ベルシェヴェドが神々の水瓶であるごとく)、この窮極の大魔法のために選ばれた城砦であった。〔浅羽, 1986, p.220〕

 ultimate magecraft∗11は「窮極の大魔法」と訳されている。

4-1) 『熱夢の女王』(Lee, 1987)〔巻の1 ソーヴァズ――〈狂気〉の恋人: 第1部 夜の狩り 1〕
「妖魔がこの魔女の元に現われましたのは、黒い天井に宝石の星を散らした塔の中で、風や雲も動いておりましたが、全ては魔術のなせる業にございました」〔浅羽, 1989a, p.28〕

 magecraft∗6∗12は「魔術」と訳されている。ほか2か所∗13∗14も同様である。

4-2) 〔巻の3 アトメ――生を求めて: 第1部 修行 6〕
 学者の不滅の肉体は魂なきあとも、魔法の知識をかなりとどめていたのだ。また魂の力を必要とせぬ怒りっぽい性格も未だにとどめていた。〔浅羽, 1989b, p.240〕

 magecraft∗6∗15は「魔法の知識」と訳されている。

5) 『妖魔の戯れ』(Lee, 1987)〔魔法使いの娘 2 囚人めしうどたち〕
 だがラザクには癒しの力はさしてなかった。毒を育むことに半生を費やした身とて。呪文は死こそ追い立てえたものの、生はわずかに奨励したのみ。〔浅羽, 1990, p.314〕

 非常に特殊な事例である。
 引用文の前段は、英語原文では「But, despite his magecraft, not much healing was in Rathak.」(Lee, 1987, p.556)である。日本語訳文は、magecraftを含む「despite his magecraft」が、まるごと抜け落ちているように見える。浅羽(1982)が事例1-2でmagecraftを「魔法使いとしての腕」と訳していたことを踏まえると、当該部分は「だが、彼の魔法使いとしての腕にもかかわらず、ラザクには癒しの力はさしてなかった」と意訳できるように思われる。

(2)マイケル・スコット・ローハン
 「ウィンター・ワールド」シリーズ全3部作の7か所で、「magecraft」が使用されている。そのうち2か所は第1部、5か所は第3部で使われている。以下、第1部『The Anvil of Ice』(Rohan, 1986)の前編にあたる『氷の魔道師』(木村, 1990a)と、後編にあたる『氷龍の復活』(木村, 1990b)から引用する。第3部は未訳であるため、本稿では取り上げない。

1) 『氷の魔道師』〔第2章 徒弟時代〕
「真の鍛冶職人の技は、この世の偉大な目的にも通ずる。それも、多くは最も基本的な技術を用いてだ。あの炎は不気味なぐらい明るかったろう? あれでも魔法は全く使わない。知識がほんの二種類いるだけだ。」〔木村, 1990a, p.48〕

 magecraft∗16は「魔法」と訳されている。

2) 『氷龍の復活』〔第1章 石とはがね〕
「こいつはどんな魔法なんだ。絹から、水晒しの絹から剣の刃を作り出すとは!」彼はそう叫ぶと、触れると熱いとでもいうように、指を踊らせた。「これもやっぱり、呪文のかかった怪物かい?」〔木村, 1990b, pp.49-50〕

 こちらも、magecraft∗17は「魔法」と訳されている。
 また、直後に「there is no magic in it,」「Nothing you would know as magic, in any event.」(Rohan, 1987, p.222)(「魔法のかけらもありません」「とにかくあなたが魔法だと考えているものはないわ」)(木村, 1990b, p.50)というやりとりがあり、magicも、magecraftと同じく「魔法」と訳されている。

(3)スーザン・シュウォーツ

  『常世の森の魔女』(Shwartz, 1992)〔第7章〕
 クリンゾールがそのぽってりした唇にふたたび愛する人の名をのぼらせたなら∗18、クンドリーはずらりと並んだ魔術道具の上に吐いてしまうだろうと思った。意外だった。自分がそんな気持ちになっているとは、まったく思っていなかったのだ。〔嶋田, 1993, p.131〕

 「魔術道具」は、英語原文では「the implements of his magecraft」(Shwartz, 1992, p.71)であり、直訳すれば「彼の魔術の道具」である。

 以上のとおり、本章では3者8作品について比較した。ゲド戦記以外の海外小説では、magecraftは「魔術」「魔法」のほか「大魔法」「秘法」さらに「魔法使いとしての腕」「魔法の知識」と、様々に日本語訳されている。また、magecraftとmagicの区別はあいまいである。

1. 序章脚註で言及したとおり、型月よりも前に「魔法」と「魔術」を区別した作品として小説「魔術士オーフェン」(秋田, 1994-)が挙げられる。本章でとりあげる海外小説を1994年以前に出版したものに限定したのは、サンプル数をしぼりこむと同時に、「魔法」と「魔術」を区別するオーフェンの設定が、海外作品から日本語への翻訳に影響している可能性を排除するためである。
2. Lee, 1977, p.141
3. Lee, 1978, p.66
4. 前掲書, p.192
5. Lee, 1979, p.176
6. 原文での正確な綴りは「mage-craft」であり、ハイフンが挟まる。
7. 室住, 1986,p.341
8. Lee, 1979, p.295
9. 室住, 1986,p.576
10. Lee, 1979, p.257
11. Lee, 1981, p.164
12. Lee, 1987, p.19
13. 前掲書, p.156, 浅羽, 1989a, p.275
14. Lee, 1987, Page 208, 浅羽, 1989b, p.68
15. Lee, 1987, Page 302
16. Rohan, 1987, p.32
17. 前掲書, p.219
18. 原文では「のぼせたなら」。脱字と考え、筆者が補字した。

【4】国内小説の「魔術関係の実技」または「魔術に関する座学」

 第2章および第3章では、海外小説で用いられているmagecraftについて、どのように日本語訳されているか検証した。ひきつづき本章では、国内小説が英訳されるとき、どのような日本語がmagecraftと訳されているか分析する。
 以下、ライトノベル4作品について引用する。なお、引用した日本語原文について「magecraft」と英訳されている部分には下線を付した。

(1)『超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!(3)』(海空, 2016)

1) 〔序章〕
 《白金騎士》という騎士爵位の最高位と、帝国魔導師の最高位《特別魔導官》の地位を併せ持つ者など、帝国全体にもそういない。〔海空, 2016, p.7〕

 「帝国魔導師の最高位」は英語版ではthe highest imperial magecraft title∗1と英訳されており、再翻訳すれば「最高位の帝国のメイジクラフト」である。

2) 〔第3章〕
 精霊の声を聞き、その存在に自分の意を命じる。
 それが魔導師としての資質だが、基本的にこれは一方通行だ。〔前掲書, p.198〕

 引用文は、英語版では「Listening to the Spirits’ voices and bending them to one’s will was Magecraft 101. The interaction was fundamentally one-sided, however.」(Thrasher, 2021)と訳されており、再翻訳すれば「精霊の声を聞き、それらを意のままにあやつるのはメイジクラフトの入門編だ。しかし、そのやりとりは基本的に一方的なものだ」である。

 「highest magecraft」は魔導師としての最高技術を、「Magecraft 101」は魔導師としての基本技術を意味していると考えられる。magecraftはたんなる「魔法」や「魔術」だけでなく、それらにかかわる「技術」と「技量」を含意しているように思われる。

(2)『異世界はスマートフォンとともに。(8)』(冬原, 2017)

  〔第2章 ダンジョンズ&ドラゴンズ〕
「デボラ・エルクス博士。パルテノで一流の魔法工芸マイスター」と呼ばれていた人でス。まあ、バビロン博士には遥かに及びませんでしタが」〔冬原, 2017, p.90〕

 「魔法工芸師」はa master of magecraft∗2と英訳されており、魔道具の作り手をさしている。

(3)『本好きの下剋上: 司書になるためには手段を選んでいられません(13)』(香月, 2018)

1) 〔成績向上委員会〕
今の学生はカルタや絵本で勉強しているので、三年生くらいまでの魔術や神学は何とかなると思う。算術も問題ない。〔香月, 2018, p.136〕

 「魔術」はmagecraft∗3と英訳されている。他2か所∗4∗5も同様である。

2-1) 〔歴史・地理・音楽〕
 魔術の実技と同じように、音楽の実技も階級ごとに分かれて行う。〔前掲書, p.208〕

 「魔術の実技」はpractical magecraft lessons∗6(実践的なメイジクラフトの授業)と英訳されている。

2-2) 〔進級式と親睦会〕
「一年生が行う魔術関係の実技は、魔力の扱いと圧縮、騎獣の作製、シュタープの取得だ。其方は練習の必要などないくらいに叩き込まれているだろう?」〔前掲書, p.152〕

 「魔術関係の実技」はmagecraft lessons∗7(メイジクラフトの授業)と英訳されている。他1か所∗8も同様である。別の1か所∗9は、先述した事例2-1のようにpractical magecraft lessons∗10(実践的なメイジクラフトの授業)と訳されている。ちなみに「魔力の扱い」はmana control∗9(マナの扱い)と訳されている。

3-1) 〔歴史・地理・音楽〕
 歴史と地理の試験に合格すれば、魔術の座学は魔石の属性やその色に関することなので、試験もそれほど難しくない。〔前掲書, p.203〕

 引用文は、日本語版と英語版とで文章構成が異なっている。英訳文を筆者が再翻訳したものを以下に示す。

 歴史と地理の試験さえ合格すれば、残るは魔石の属性やその色に関する簡単なmagecraftの試験だけだ。すこしも難しいとは思えなかった。〔quof, 2021, History, Geography, and Music, 筆者訳〕

 「魔術の座学の試験」に相当する部分がmagecraft exam(メイジクラフトの試験)と英訳されている。

3-2) 〔歴史・地理・音楽〕
「エーレンフェストは全員合格です」
 魔術に関する座学の試験も全員が問題なく合格。(香月, 2018, p.206)

 この引用文も、日本語版と英語版とで文章構成が大きく異なっている。英訳文を筆者が再翻訳したものを以下に示す。

 わたしたちの最後の試験はmagecraftだった。間もなく、いまとなっては聞き慣れた先生の声が聞こえてきた。
「エーレンフェストは全員合格です」〔quof, 2021, History, Geography, and Music, 筆写訳〕

 「魔術に関する座学」に相当する部分がmagecraftと訳されている。

3-3) 〔シュタープの基礎〕
 わたしは魔術関係の座学で学んだことだが、オルドナンツを作るための魔石は普通の魔石ではない。一度調合されてできあがった、用途が限定されている魔石だ。〔香月, 2018, p.355〕

 「魔術関係の座学」はmagecraft test∗11と英訳されている。

 これらの他に、以下のように特殊な英訳の例がある。

4) 〔あとがき〕
 貴族院は貴族になるための学校です。ここで少々個性的な教師陣から魔力の扱いや魔術具の調合を教えられ、領主候補生は領主として領地を治めるための魔術を学び、他領の子供達と一緒にユルゲンシュミットの貴族として成長していきます。〔前掲書, p.416〕

 引用文は、日本語版と英語版とで文章構成が大きく異なっている。英訳文を筆者が再翻訳したものを以下に示す。

 貴族院は、貴族の子弟を真の貴族へと育てあげるための学校です。彼らは様々な個性豊かな教授陣からmagecraftや魔術具の調合などを教わり、他領の子供達と一緒にユルゲンシュミットの貴族として成長していきます。また、領主候補生は、それぞれの領地を治めるために必要な魔法を学びます。〔quof, 2021, Afterword, 筆写訳〕

 「魔力の扱い」が、事例2-2で言及したようにmana controlと訳されるのではなく、magecraftに置き換えられている。また、領地を治めるための「魔術」はmagecraftではなくmagicと訳されている。別の場面で「創造の魔術∗12」と「創造魔法∗13」という語が、どちらもcreation magic∗11∗14と訳されているように、日本語原文では魔法と魔術の区別があいまいであり、英語版でもmagecraftは魔法と魔術を区別していない。

(4)『サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと(1)』(依空, 2014)
 魔術について説明されている部分を引用する。

  〔第1章 同期が来たりて無茶を言う〕
 魔力を行使して奇跡を起こす魔法。その中でも、詠唱によって魔術式を編み、魔力を行使する術を魔術という。〔依空, 2014, p.25〕

 引用文は、日本語版と英語版とで文章構成が異なっている。英訳文を筆者が再翻訳したものを以下に示す。

 magecraftとは、魔法の力、すなわちマナを用いて奇跡を起こすことをいう。具体的にいえば、magecraftとは、呪文を唱えて魔法の術式を編み上げることでマナを調整する魔法の一種である。〔Prowse, 2022, Chap.1 A Colleague Arrives and Acts Unreasonably, 筆写訳〕

 「魔術」はmagecraftと英訳されている。magecraftが「魔術」の訳語として採用されているのはFateと共通している。ただし、Fateでは魔法と魔術が別物として扱われていたのに対して、サイレント・ウィッチでは魔術はあくまで魔法の一種とされている点に違いがある。

 以上のとおり、国内小説が英訳されるときには「魔術」のほか「魔術関係の実技」「魔術に関する座学」や「魔導師」「魔法工芸」などの日本語が、magecraftと訳されている。

1. Thrasher, 2021
2. Hodgson, 2018
3. quof, 2021, The Better Grades Committee
4. 香月, 2018, p.152
5. 前掲書, p.183
6. quof, 2021, History, Geography, and Music
7. 前掲書, The Advancement Ceremony and Fellowship Gatherings
8. 香月, 2018, p.290
9. 前掲書, p.196
10. quof, 2021, History, Geography, and Music
11. 前掲書, Schtappe Fundamentals
12. 香月, 2018, p.116
13. 前掲書, p.358
14. quof, 2021, My Retainers and Entering the Dormitory

【5】国内外ゲームの「魔術」「魔技」または「魔法」

 第2章および第3章では、海外小説で用いられているmagecraftについて、どのように日本語訳されているか検証した。また第4章では、国内小説が英訳されるとき、どのような日本語がmagecraftと訳されているかを分析した。ひきつづき本章では、国内外の各種ゲームで使われているmagecraftがどのように日本語訳されているか、どのような日本語がmagecraftと英訳されているかを考察する。以下には、日本語訳された文章もしくは日本語原文を引用し、「magecraft」にあたる部分には下線を付した。

(1)「ダンジョンズ&ドラゴンズ」(TSR, 1974-1997, WoT,1997-)
 D&Dは米国発のテーブルトークRPGであり、世界最初のロールプレイングゲームである。
 以下は、D&D第4版のシステム・奥義伝授についての説明である。

  『基本ルールブック ダンジョン・マスターズ・ガイド(2)』〔第5章 アドベンチャー「奥義伝授」〕
 神の賜物や伝説の賜物と同様、"奥義伝授"もキャラクターに、実際にアイテムを所有する必要なく魔法のアイテム相当の力を得ることを可能にする。(中略)この修行には単なる反復練習を超えた何物かが必要とされる。武術や魔術の達人に就いて学ぶことが肝要なのである。〔桂, 岡田, 北島, 楯野, 塚田, 柳田, 2010, p.145〕

 magecraft∗1は「魔術」と訳されている。またmagic item∗1は「魔法のアイテム」と訳されている。キャラクターが魔術の達人に就いて学ぶ目的は、アイテムを所有しないまま魔法のアイテム相当の力を得ることであり、「魔術」の語は「魔法のアイテム」と置き換えできると考えられる。

(2)「マジック: ザ・ギャザリング」(WoT, 1993-)
 MtGは米国発のトレーディングカードゲームであり、もっともよく遊ばれているTCGである。
 以下は、拡張パック「ストリクスヘイヴン: 魔法学院」(WotC, 2021)で新登場したシステム(メカニズム)・魔技についての説明である。

  〔「ストリクスヘイヴン: 魔法学院」のメカニズム〕
魔技/Magecraft
インスタントとソーサリーの応援団
魔技は、インスタントかソーサリーである呪文を唱えるかコピーするたびに何かをもたらす誘発型能力を表す能力語。〔真木, 2021, p.9〕

 magecraft∗2は「魔技」と訳されている。「まぎ」とは、magicの語源であるmagus(古代ペルシャの祭司マグス)の複数形magi(マギ)にかけたネーミングであろう。School of Mages∗2が「魔法学院」と訳されていることを踏まえると、magecraftは「魔法の技」または「魔法使いの技」とも意訳できそうである。

(3)「ファイナルファンタジーXIV」(SQEX, 2013-)
 FF14はスクウェア・エニックスによって開発されたMMORPGである。
 英語版では、複数のイベント(クエスト)の台詞にmagecraftの語が登場する。

1) 〔時を超えし使者〕
プリンキピア「もともとアラグは、『魔法』を究めることで反映した文明でした。そのころ召喚魔法の使い手は、革と紙とインクでできた、素朴な魔道書を使用していたと聞きます」〔FF14, Lv 60召喚士クエスト 時を超えし使者〕

 「アラグ」とは、魔法と科学を融合させることで繁栄を極めた「アラグ帝国」のことである。「魔法を究める」はmastery of magecraft∗3 (魔法を使いこなす)と英訳されている。ちなみに「召喚魔法」はsummoning magic∗3と訳されており、「魔法」の訳語としてmagecraftまたはmagicがあてられていると分かる。

2) 〔その志、剣を通じて受け継がれん〕
アリア「ここは任せて、先輩は『王の狩場』へどうぞ。それにしても〔magecraftに関しては〕……私が3歩進む間に、先輩は10歩も20歩も進んでいるんですね!」〔FF14, Lv 80赤魔道士クエスト その志、剣を通じて受け継がれん〕

 アリアは、赤魔法を駆使する赤魔道士である。引用文中の〔〕内は、英語版独自の補足を筆者が訳したものであり、日本語版には無い表現である。当該部分は、英語版ではcomes to magecraft∗4と表記されている。

3-1) 〔深淵に射す光〕
ココブキ「[プレイヤー名]、貴方ののおかげで、弟達が危機に挑む意志をもつことができた……。一度ギルドに帰り、今後の作戦について考えましょう」〔FF14, Lv 25呪術士クエスト 深淵に射す光〕

 ココブキは、呪術士ギルドのギルドマスターであり、呪術士は、状況に応じて数々の魔法を使い分けることで敵を殲滅するクラス(職業)である。「貴方の力」はyour inspiring display of magecraft∗5(貴方の、人を勇気づけるメイジクラフト)と意訳されている。

3-2) 〔臆病者の牙〕
ココブキ「貴方が見せてくれた純粋な魔力、そして勇気が、私や臆病な弟達に、その真価を思い出させてくれました。〔FF14, Lv 30呪術士クエスト 臆病者の牙〕

 「貴方が見せてくれた純粋な魔力、そして勇気」はthe raw power and audacity of your magecraft∗6(貴方のメイジクラフトの、粗削りな力と大胆さ)と英訳されている。「魔力」がpower of magecraft(メイジクラフトの力)という具合に訳されている。

4) 〔闇の戦士〕
サイエラ「もう一方の弓を背負った男性……『ケリッグ』さんも、使徒狙いのひとりです。魔法に詳しい人がいたら紹介してほしいと頼まれています」〔FF14, Lv 71漆黒のヴィランズ〕

 「魔法に詳しい人」はan expert in magecraft∗7(メイジクラフトの専門家)と英訳されており、「魔法」はmagecraftと訳されている。

 以上のとおりmagecraftは、D&Dでは「魔術」、MtGでは「魔技」と日本語訳されている。またFF14では、おおむね「魔法」がmagecraftと英訳されている。

1. Wyatt, Slavicsek & Laws, 2009, p.144
2. Strixhaven: School of Mages〔https://magic.wizards.com/en/products/strixhaven〕(2025.8.18)
3. FF14, A Book with Bite
4. FF14, Succession of Steel
5. FF14, The Hidden Chapter
6. FF14, Facing Your Demons
7. FF14, Warrior of Darkness

【結】「魔法使いとしての技量」または「魔法に関する知識」

 これまで、「magecraft」という英単語が、どのように日本語訳されているか。また、どのような日本語が「magecraft」と英訳されているか、分析してきた。
 結果、型月作品では「魔術」の訳語としてmagecraftがもっぱら採用されている一方、海外の小説や各種ゲームに登場するmagecraftが日本語訳されるときには、「魔術」や「魔法」だけでなく「秘法」や「魔法使いの駆使する技」「魔法使いとしての腕」などと訳されていることが分かった。また国内の小説やゲームについては、「魔術」や「魔法」のほか「魔術関係の実技」「魔術に関する座学」や「魔導師」「魔法工芸」といった日本語が、magecraftと英訳されていると分かった。

 magecraftが「魔法使いとしての腕」「魔術に関する座学」などに対応していることから、magecraftの語は、たんに「魔法」や「魔術」を意味するだけではなく、より複雑なニュアンスを帯びているように思われる。magecraftは、魔法使いの「技術」と「技量」、魔法使いが教育または学習する「知識」を含意していると考えられるのである。



2025.9.2(最終履歴, 2025.10.4修正)


一覧

「Magecraftという英語がどう日本語訳されているか、どんな日本語がMagecraftと英訳されているか調べた結果を、ざっくり絵にしてみたもの
「Magecraftという英語がどう日本語訳されているか、どんな日本語がMagecraftと英訳されているか調べた結果を、ざっくり絵にしてみた。この他にも『魔法』『大魔法』『魔法使いとしての腕』『魔法の知識』『魔技』など、さまざまに訳されたり訳したりしている。」(筆者がX(旧Twitter)およびBlue Skyに投稿したもの, 2025.9.7, https://x.com/thunderbolt914/status/1964667571141226722, https://bsky.app/profile/thunderbolt914.bsky.social/post/3lyapj5il4c23)

参考文献
・秋田禎信(著), 草河遊也(イラスト)『魔術士オーフェンはぐれ旅(2) 我が命にしたがえ機械』(富士見書房, 1994)
・依空まつり(著), 藤実なんな(イラスト)『サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと(1)』(KADOKAWA, 2021)
・香月美夜(著), 椎名優(イラスト)『本好きの下剋上: 司書になるためには手段を選んでいられません(13) 第4部 貴族院の自称図書委員 I』(TOブックス, 2018)
・スクウェア・エニックス(2013-)「ファイナルファンタジーXIV」(スクウェア・エニックス)
・テックジャイアン編集部『Fate/complete material I・II・III』(KADOKAWA, 2018)
・冬原パトラ(著), 兎塚エイジ(イラスト)『異世界はスマートフォンとともに。(8)』(ホビージャパン, 2017)
・真木孝一郎『マジック:ザ・ギャザリング ストリクスヘイヴン: 魔法学院 公式ハンドブック』(ホビージャパン, 2021)
・海空りく(著), さくらねこ(イラスト)『超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!(3)』(SBクリエイティブ, 2016)
・ヤマザキコレ『魔法使いの嫁(1)』(マッグガーデン, 2014)
・長沼範裕(監督), 高羽彩(脚本)(2017), ヤマザキコレ(原作)(2014)「魔法使いの嫁」(WIT STUDIO, TOKYO MXほか)
・TYPE-MOON(2004)「Fate/stay night」(ノーツ)
・TYPE-MOON(2024)「Fate/stay night REMASTERED」(アニプレックス)
・シュウォーツ, S. 著, 嶋田洋一 訳『常世の森の魔女』(早川書房, 1993)
・リー, T. 著, 浅羽莢子 訳『闇の公子』(早川書房, 1982)
・リー, T. 著, 室住信子 訳『死の王』(早川書房, 1986)
・リー, T. 著, 浅羽莢子 訳『惑乱の公子』(早川書房, 1986)
・リー, T. 著, 浅羽莢子 訳『熱夢の女王(上)』(早川書房, 1989)
・リー, T. 著, 浅羽莢子 訳『熱夢の女王(下)』(早川書房, 1989)
・リー, T. 著, 浅羽莢子 訳『妖魔の戯れ』(早川書房, 1990)
・ル=グウィン, U. K. 著, 清水真砂子 訳『ゲド戦記(1) 影との戦い』(岩波書店, 1976)
・ル=グウィン, U. K. 著, 清水真砂子 訳『ゲド戦記(2) こわれた腕環』(岩波書店), 1976
・ル=グウィン, U. K. 著, 清水真砂子 訳『ゲド戦記(3) さいはての島へ』(岩波書店, 1977)
・ル=グウィン, U. K. 著, 清水真砂子 訳『ゲド戦記(6) ゲド戦記外伝』(岩波書店, 2004)
・ローハン, M. S. 著, 木村由利子 訳『ウィンター・ワールド(1) 氷の魔道師』(角川書店, 1990)
・ローハン, M. S. 著, 木村由利子 訳『ウィンター・ワールド(2) 氷龍の復活』(角川書店, 1990)
・ワイアット, J., スラヴィクシェク, B., ローズ, R. D. 著(2009), 桂令夫, 岡田伸, 北島靖己, 楯野恒雪, 塚田与志也, 柳田真坂樹 訳『ダンジョンズ&ドラゴンズ第4版 基本ルールブック ダンジョン・マスターズ・ガイド(2)』(ホビージャパン, 2010)
・『Collins English Dictionary』(Glasgow, HarperCollins, 2011)
・『Oxford English Dictionary』(London, Oxford University, 1933)
・『Penguin English Dictionary』(London, Penguin Books, 2007)
・『Random House Webster's College Dictionary』(New York, Random House, 2000)
・『Webster's New World Dictionary』(New York, Prentice Hall, 2019)
・Akita, Y. author, Kusaka, Y. illust.(1994), Hodgson, A. trans.『The Sorcerous Stabber Orphen: the wayward journey(2) Obey My Command, Doll!』(J-Novel Club, 2018)
・Anderson, R., Brinnin, J. M., Leggett, J., & Leeming, D. A.「Elements of Literature: first course(annotated teacher’s edition)」(Tex., Austin, Holt, Rinehart and Winston, 1989)
・Forster, J.『Historical and Biographical Essays Vol.1』(London, John Murray, 1858)
・Fuyuhara, P. author, Usatsuka E. illust.(2017), Hodgson, A. trans.『In Another World with My Smartphone(8)』(J-Novel Club, 2018)
・Isora, M. author, Fujimi, N. illust.(2021), Prowse, A. trans.『Secrets of the Silent Witch』(Yen Press, 2022)
・Kazuki, M. author, Shiina, Y. illust.(2017), quof trans.『Ascendance of a Bookworm: I'll stop at nothing to become a librarian! Part 4 Founder of the Royal Academy's So-Called Library Committee Vol.1』(J-Novel Club, 2021)
・Le Guin, U. K.『A Wizard of Earthsea』(Calif., Berkeley, Parnassus Press, 1968)
・Le Guin, U. K.『The Tombs of Atuan』(New York, Atheneum, 1971)
・Le Guin, U. K.『The Farthest Shore』(New York, Atheneum, 1972)
・Le Guin, U. K.『Tales from Earthsea』(New York, Ace Books, 2003)
・Lee, T.『Night's Master』(New York, Daw Books, 1978)
・Lee, T.(1979)『Death's master』(Feltham, Hamlyn Paperbacks, 1982)
・Lee, T.『Delusion's Master』(New York, Daw Books, 1981)
・Lee, T.『Tales from the Flat Earth: Night's Daughter』(NY, Garden City, Nelson Doubleday, 1987)
・Misora, R. author, Sacraneco illust.(2016), Thrasher, N. H. trans.「High School Prodigies Have It Easy Even In Another World!(3)』(Yen Press, 2021)
・Rohan, M. S.(1986)『The Anvil of Ice』(London, Futura, 1987)
・Rohan, M. S.(1988)『The Hammer of the Sun』(New York, Avon Books, 1990)
・Shwartz, S.『The Grail of Hearts』(New York, TOR, 1992)
・Wizards of the Coast「Strixhaven: School of Mages(Magic: The Gathering)」〔https://magic.wizards.com/en/products/strixhaven〕
・Wyatt, J., Slavicsek, B. & Laws, R. D.『Dungeons & Dragons 4th ed. Roleplaying Game Core Rules: Dungeon master’s guide(2)』(Renton, Wizards of the Coast, 2009)
・Yamazaki, K.(2014) story & art. Beck, A. trans.「The Ancient Magus’ Bride (1)」(Calif., Los Angeles, Seven Seas Entertainment, 2015)