暗黒騎士



暗黒騎士


暗黒騎士は、僕にとって、もっとも思い入れの深いジョブのひとつだ。
負と闇の力を使い、己の生命と引き換えに敵を葬る、異端の騎士。
邪悪な力を帯びた武器、暗黒剣を用いる。

暗黒騎士は、FFシリーズを通して非常に不安定な位置にある。

初出はFF2のダークナイト。
主人公たちの前に立ちふさがる強大な敵のひとりだった。 ただし、このときはまだジョブとしては確立されていない。

FF3で、暗黒剣を装備できる唯一のジョブとして魔剣士が存在する。
このナンバーには、通常の武器で攻撃すると分裂する特殊なモンスターが登場する。 負の力で鍛えられた暗黒剣は、このモンスターへの数少ない対抗手段のひとつだった。
なお3の攻略本には、祖国を追放された魔剣士としてレオンハルトの名前が見える。 これは、先述したダークナイトの正体であるレオンハルトと同名だ。

FF4になって、ようやく「暗黒騎士」という名称が登場する。
主人公セシルの初期ジョブであり、自分のHPと引き換えにして攻撃する「あんこく」の使い手。 ただし、悪しき闇の力に頼らざるをえない性質上、同じ闇に属するアンデッドには無力。 苦渋の末、セシルは暗黒の力を手放し、聖騎士パラディンへとジョブチェンジする。

僕は、3の魔剣士を愛用していたために、4の暗黒騎士の冷遇が許せなかった。
「闇か、光か」という二択をプレイヤーに迫るストーリーに反感を抱いた。 なぜ「闇も、光も」じゃダメなのか!(←その方が盛り上がるからだよ)

パラディンにお株を奪われた暗黒騎士は、その後、暗黒時代に入る。
FF8で「あんこく」、FF9で「暗黒剣」のアビリティが復活したものの、 「暗黒騎士」がジョブとして再登場するのは、FF10-2、FF11まで待たなければならなかった。

僕は、9のスタイナーが「暗黒剣」を使用できることに注目して、ひとつの設定を考え出した。
スタイナーと彼の祖先は、その危険性の高さのために封印された暗黒剣の技を、 禁忌と知りながら代々受け継いできた、というのがそれ。
4でいちど切り捨てられた暗黒騎士という存在を、なんとか救い上げたい。 その思いから、暗黒騎士スタイナーの物語は生まれたんだ。

Aug.15.2009



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