パラディン
パラディン
FF9には騎士スタイナー、聖騎士ベアトリクス、竜騎士フライヤ、
そしてプルート隊の面々(英語表記ではPluto Knightsという!)のように、
“騎士”ないし“ナイト”の称号を帯びる人物が多く登場する。
これはシリーズを通して見られる傾向だ。
今回は、数あるナイト系のジョブの一つ、パラディンに焦点をあてる。
パラディンは剣を標準装備とする騎士で、同時に白魔法も使う。
剣技と魔法を併用するパラディンは、非常に優れた存在だ。
FF1で登場するナイトは、戦士の上位にあるジョブだ。
このジョブは、剣と白魔法を使いこなすオールラウンダーであり、
この頃から、すでにパラディンの祖形は生まれていた。
FF4の主人公セシルはもともと暗黒騎士だったが、後にパラディンへとジョブチェンジする。
暗黒騎士だった頃のセシルは、闇と負の力で戦い続けることで、悪に呑み込まれる危険にさらされていた。
聖剣を使いこなし白魔法も扱うパラディンは、暗黒騎士とは対極にある存在だ。
そしてFF9のベアトリクスは、聖剣技と聖白魔法を使いこなし、
1のナイト、4のパラディンと同じ特徴を備えている。
とくに彼女が使う白魔法は、ケアルラ、エスナ、アレイズ、ホーリーと強力なものばかりだ。
魔法を使えず、その他のアビリティも攻撃専用だったスタイナーに比べて、
攻防に優れたバランスタイプのキャラクターといえる。
また“パラディン”と“聖騎士”は、同一視されることが多い。
FF3に登場するナイトは、1と同じ戦士の上位ジョブだが白魔法が使えない。
しかしDS版ではこの点が強化され、ナイトは低位の白魔法も使えるようになっている。
FFは、ナンバーによって“ナイト”の特性が変わる。
もっとも大きな違いは、「白魔法を使えるかどうか」。
上に挙げたナンバーでは、ナイトはみな白魔法を使える。
4や9では、とくにパラディンや聖騎士のような別の呼称が用意されている。
逆にFC版3や5に登場するナイトは魔法を使えない。
防御力に優れ“かばう”や“まもる”といった特殊コマンドを持つものの、
本質は戦士とたいして変わらない。
“パラディン”がもともと“宮廷騎士”を指していることをあわせて考えると、
ベアトリクスは、FF4以来の正統派パラディンといえそうだ。
Aug.4.2009
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