バイオの可能性
バイオの可能性
バイオは無属性で、毒の追加効果を持つ黒魔法だ。
僕は魔法バイオを、ポイズンを改良し、殺傷力を劇的に向上させた術、と設定している。
バイオは、雑菌や病原菌を魔力によって増殖・巨大化させ、それらが分泌する毒素を攻撃に利用する。
この考え方はFF3の設定に準拠したものだ。
僕は、FFの世界では、バイオとは非常に有用な魔法なのではないかと考えている。
イースト菌でパン、乳酸菌でヨーグルト、酵母菌はワインやビールなどの酒類、チーズやバターも、精製の過程で発酵させる時は菌を利用する。
菌が食品の加工や保存に有用である事を、人類は早くから気づいていた。
現代においても、菌に関わる科学技術はめざまじい進歩をとげている。
小麦粉をえらく膨らませる新種の菌とか、汚水を浄化する納豆菌の近縁種とか、とうもろこしからプラスチックを作ってしまう乳酸菌とか、そういう新種の菌が次々に発見され、開発されている。
バイオは、このように重宝される菌をいちはやく発見、培養する手段になるのではないか。
種々の菌が発見され、食品への利用法が考え出されたのも、
じつは魔法研究の偶然の結果なのではないか。
マグダレンの森、とある魔法研究所にて。
研究の合間に黒魔道士がくつろぐ談話室に、ひとりの魔道士が飛び込んできた。
肩で息をしている仲間に、黒魔道士たちは目を丸くした。
「どうしたんだ」
「ついにやったぞ!」
「何を?」
「バイオでアルカリフィラス・トランスバーレンシス菌の培養に成功したんだ」
「それはどういう菌だ?」
「水素を発生させる菌だよ! これで水素燃料の調達が容易になる。
もう蒸気機関の時代は終わりだ。これからは水素の時代だよ!」
「蒸気機関の時代は終わり? では飛空艇の動力はどうなる」
「もちろん水素燃料に変わるのさ! 科学に革命が起こる。
リンドブルムの――いや、ガイアの未来は明るいぞ!」
……なぜだろう、ファンタジーっぽくない。
Mar.29.2009
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