天空と大地



天空と大地


僕は、たぶん小学生の頃から、神話に非常な興味を抱いていた。
古事記はもちろん、ギリシア・ローマ神話、ゲルマン神話に関する本を読みあさり、ヴェーダやヒンドゥーの神話、仏教説話、中国やアフリカ、南北アメリカの神話、旧新約聖書と、その源流であるヘブライとアラブの神話を調べるようになった。

そうして、中高生の頃から、それまで見聞きしてきた神話や伝説を自分に取り込み、再話するということに取り組みはじめた。

上のイラストは、その作業の過程で生まれた夫婦神――天空と大地を描いたもの。
無、あるいは混沌から生まれた兄妹神で、最初の夫婦となり、神と人の祖となる。
彼らは協力しながら、ときに喧嘩もしながら、世界を創造していく。
天空神と地母神の結婚は、多くの神話に見られるモチーフで、僕の大好きなテーマだ。
その理由は、たぶん、天地が結婚して世界が生まれたということが、 世界の“愛”の普遍性を肯定することにつながるからじゃないかな、と思う。

空と大地の愛は、世界にあまねく降り注いでいて、人間もまたその愛を受けている。
空を、大地を汚しつづける人間を、それでも空と大地は愛しつづけている。
その“愛”を思い出すこと、“愛”に応えることが、いま人間に求められている。
こういう空想も、たまにはいいかな。

Jan.18.2009



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