七夕絵
2007年7月7日にFF9は発売から7周年を迎えました。
ということで、七夕を題材にした絵を描いてみました。
ビビの子供たち、保護者といっしょに星空を見上げるの図。
はじめは主要キャラクター勢ぞろいって感じにしようかと思っていたんですが、
そういえばビビの子供たちをまだ描いていなかったことに気づき、方針を変えました。
シルエットだけですけど(笑)。描いた本人さえ、どれが誰だか分かりませんけど(爆)。
……暗くしすぎたな(悔)。
子供たちを連れているのはミコトとサラマンダーです。……これも分かりにくい(苦笑)
よく見ると、じつはちゃんと色が塗ってあるのが分かります。
よく見ないと分かりません(笑)。
外側の大陸って、きっと星がよく見えるんでしょうね。
開発が進んだ霧の大陸と違って、地上にある光も少ないでしょうし。
ていうか、これって記念絵なのか?
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飛び立つ翼 舞い降りる翼
“その星は、この空のどこかに”
黒魔道士の村を出て小道を行くと、突如、丘のある空き地に出る。
村の外れにはこうした空き地がいくつもあって、とくにここは木立も無く、なににも邪魔されず星空を見ることができる場所だった。
日暮れと同時に空き地にやってきていたビビの子供たちは、丘の周りで走り回ったり、ふかふかの草に寝転がったりして遊びまわった。ひとしきり遊ぶとこんどは一列に並んで腰を下ろし、そろって星空を見上げはじめた。
ときに笑い声をたてる子供たちの様子を丘の上から眺めながら、ミコトはつぶやいた。
「楽しそうね」
ああ、とミコトの隣にたたずむサラマンダーが答えた。
「ちょうどよく晴れたな。雨期にこれだけの星空が見えるのは、珍しいというのに」
「ほんとうね」
サラマンダーに頷き返して、ミコトはまた子供たちを見下ろす。星明りのおかげで、ぼんやりと、6つのとんがり帽子が仲良く並んでいるのが見えた。
ふとミコトは星空を見上げた。
「アクイルから聞いた? 星がどれだけあるのか、みんなで数えるそうよ」
「無謀なことをする。ストラは止めなかったのか?」
「さあ、どうかしら」
「まあ、ガキのやることだ。どうせすぐに飽きるだろう」
「それと『親父や288号の星も探すんだ』って、そう言っていたわ」
ほお、とサラマンダーは言った。
「……そうか。それは大変だろうな」
ミコトにならって、サラマンダーも夜空を見上げた。そうして、またたく星に目を細める。
――僕の記憶を、空にあずけにいくよ。
そう言い残して逝った、小さな友。
おまえはそこにいるのだろうか。
そこから子供たちのことを、俺たちのことを見守ってくれているのだろうか。
「何を考えているの?」
黙り込んでしまったサラマンダーに、ミコトが尋ねた。
「ん? いや、なんでもない」
突然、サラマンダーは歩きだす。
「どこへ行くの?」
急に丘を下りだした彼の背中に、慌ててミコトは問いかけた。サラマンダーは振り返ると、片方の口角を上げるようにして笑ってみせた。
「ガキどもにつきあって、ビビの星を探してやろうかと思ってな」
サラマンダーはまた歩きだして、そして星を一生懸命に数えている子供たちに近づいていった。サラマンダーに気づいた子供たちは、サラマンダーが何事かを言うと、跳ねるようにして喜んだ。
ミコトは微笑して、また夜空を見上げる。
クジャの星も、この空のどこかにあるのだろうか。
「……わたしもいっしょに探そうかしら」
ぽつりとつぶやくと、ミコトもゆっくりと丘を下っていった。